お子様の近視進行を抑制する点眼治療
当院では日本で初めて近視の進行抑制を目的に承認されたリジュセアミニ点眼液0.025%を1日1回点眼することによって、近視の進行を抑制する治療を行っております。
リジュセアミニ点眼液0.025％は低濃度アトロピン製剤で、従来のマイオピンとは異なり国産で防腐剤を含まない、1回使い切りタイプの医療用医薬品です。日常的な使用での安全性に配慮されています。この点眼薬は参天製薬とシンガポールアイリサーチインスティテュートによって共同開発されたものです。近視の進行を抑制することが大切な理由
近視は環境要因と遺伝的要因によっておこります。特に環境要因としては長時間の近見作業によって近視が進行することがわかっています。携帯ゲームやスマホの普及、漫画、タブレットを使用した学習、更には屋外活動の減少などにより、小児の近視が急増しています。よく「近視は治りませんか？」とご質問を頂きますが、子供の近視の多くが眼軸長が延長する軸性近視で、1㎜伸びただけで-3Ｄ近視が進むと言われています。長時間の近見作業は眼軸長を延長させ、一度伸びてしまった眼軸長はもとに戻らない(＝近視は治らない)です。
近視はメガネをするのが嫌だから予防しましょうということではありません。近視は軽度であっても、大人になってから網膜剥離、緑内障、黄斑変性といった目の病気にかかるリスクを高めることがわかっています。これからの長い人生を生きる子どもたちの目の健康を、生涯にわたって良好に保てるよう、子どもの頃から近視を発症させない、近視になっても進行させないための取り組みが大変重要です。近視の進行抑制効果
2年間で治療群はプラセボ(偽薬)群よりも-0.5Ｄ程度近視の進行を抑えることが出来ました。ただし、2年後に治療を中断した群ではその後、
近視の進行が見られています。このことからも成長期の期間は治療の継続が必要と考えられます。
リジュセアミニの特徴・安全性
・子供の近視進行を抑える効果毎日の点眼により近視の進行を緩やかにすることが期待されます。
・低濃度で副作用を抑制
0.025%という低濃度アトロピンを使用しているため、かすみやまぶしさといった副作用が比較的少ないとされています。
・1日1回の簡単な使用
夜1回の点眼で、継続しやすい治療です。
・1回使い切りの個包装
防腐剤フリーで角膜に優しい。
治療の流れと費用について
この治療は保険適応外の自費診療になります。 初回診察後は3か月毎の診察・検査をおこないます。お薬代は1箱(30本入り)で4,600円(税込・処方箋料込み)となります。お薬は両眼用で1箱1か月分となっています。診察・検査代は1回3,500円(税込み)となります。※注意：本治療中はメガネやコンタクト処方も自費扱いとなり、別日に診察・検査代が3,500円(税込み)かかります。
FAQ よくあるお問い合わせ
近視は治りますか？
いいえ。本剤は近視の進行を“抑える”ことを目的としています。近視自体を治す薬ではありません。
副作用はありますか？
個人差はありますが、一時的なまぶしさやピントの合いづらさが出ることがあります。ほとんどの場合は軽度で、継続使用が可能です。
効果が無いこともありますか？
残念ながら個人差があり、効果がないお子さんもいることが報告されています。その場合はオルソケラトロジーという別の近視進行抑制治療
もあります。また、両者を併用することで近視抑制効果が高まることも報告されています。
いつまで治療を続けますか？
2年間は治療を継続し効果判定をします。近視は成長期に合わせて進行するため、効果のある方は10代後半まで治療の継続をお勧めします。